今回は小説『ある閉ざされた雪の山荘で』東野 圭吾(著)のご紹介!現在、映画が公開されている作品でもあります。東野 圭吾さんの作品はこれまでも多く読んできました。こちらの期待を裏切らないストーリー展開にすっかりハマってしまってます。。。。。
貸し切ったペンションで行われた舞台稽古。4日間にわたる中で事件が発生していきます。しかし、これが本当の事件なのか、はたまた稽古の一部なのか。限られた行動制限の中で生活を共にする若手俳優たちの心情が揺さぶられるストーリーとなっています。
書籍の情報を以下にまとめます▼
INFO
タイトル:『ある閉ざされた雪の山荘で』
著者:東野 圭吾
出版社:株式会社 講談社
発売日:1996年1月15日(第1刷発行)
メモ:現在、映画が公開中
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あらすじ
早春の乗鞍高原のペンションに集まったのは、オーディションに合格した男女七人。これから舞台稽古が始まる。豪雪に襲われ孤立した山荘での殺人劇だ。だが、一人また一人と現実に仲間が消えていくにつれ、彼らの間に疑惑が生まれた。はたしてこれは本当に芝居なのか?驚愕の終幕が読者を待っている!
『ある閉ざされた雪の山荘で』裏表紙より
読書感想
嘘を生業とした人たち
芝居が人に擬似的な感覚を与え、現実から一時的に引き離す力を持つことは、その魅力の一つだ。この擬似体験は、観客に新たな視点や感情を提供し、日常とは異なる世界へと誘いだす。
そして芝居の世界に身を置く人々は、確かに日常生活においても、演技や物語作りの要素を取り入れることがある。そんな嘘を生業とした人たちが集まり、共同生活を送ったらどうなるのだろうか。その生活模様は非現実的なものになるのだろうか。
実際には、共同生活の中で他人の行動に目が行き、自分がどう思われているかに気を取られることが多くなる。このような状況は、表面的な関係性を生み出し、互いの深い理解や本質的なつながりを築くことが難しくなる。
自分自身をさらけ出すことが難しくなり、他人との関係も表面的なものに留まる。このような共同生活では、俳優たちの間で深い信頼関係や心の通った交流が生まれにくい。それぞれが自分のイメージ管理に気を配りすぎるあまり、真の自己を隠し、他人に対しても本音を見せることが少なくなる。
チャンスを探せ
チャンスは予期せぬ時に訪れるものであり、それを見極め、適切に行動できる人だけがその恩恵を受けることができる。多くの人は、チャンスが目の前にあることに気づかず、その機会を逃してしまう。実際、チャンスを認識し、それを活かすことができる人は少ない。この段階で、既に多くの人がチャンスを掴むレースから脱落してしまう。
さらに、チャンスを認識できたとしても、過度の熱意がかえって障害となり、空回りしてしまうことがある。過去の苦い経験がフラッシュバックし、そのチャンスを手に入れることにヒステリックなまでに執着してしまう人もいる。このような状態では、冷静な判断ができず、最終的にはチャンスを生かすことができない。
チャンスを掴むためには、まずその存在に気づく洞察力が必要である。そして、そのチャンスに対して冷静かつ適切な行動を取ることが求められる。過去の経験に囚われず、現在の機会を最大限に活かす姿勢が重要である。チャンスを生かすためには、自己の感情をコントロールし、合理的な判断を下すことが、成功への鍵となる。
神が神でなくなるとき
小説を読む際に語り手に注目することは、物語の理解を深める重要なポイントである。特に、神視点と呼ばれる語り手は、登場人物の心情や過去の出来事を含め、物語の全体を俯瞰して理解している立場にある。この視点は、物語において最も中立的であり、読者に対して全知全能の情報提供者となる。
しかし、もし神視点が覆るような出来事が物語の中で起きた場合、その物語は予測不可能な展開を迎えることになる。神視点が覆るということは、読者が全てを知り尽くしたと思っていた語り手自体が、何らかの理由でその情報や視点に誤りがあったことを意味する。これは、物語における大きな転換点となり得る。
神視点が覆ることで生じるこの種の物語は、読者にとって予測不能な結末を迎えることが多い。読者は、物語の終わりまで何が真実で何が虚構なのかを見極めることが求められる。このプロセスは、読者にとって非常に刺激的であり、物語の魅力を一層引き立てる要素となるのである。
まとめ
今回は小説『ある閉ざされた雪の山荘で』東野 圭吾(著)のご紹介でした!この作品は、雪に閉ざされた山荘という限定された空間で繰り広げられる心理戦が鮮烈に描かれています。東野 圭吾さん特有の巧妙なプロットと予測不可能な展開は、最後のページをめくるまで読者を手放しません。
ミステリー好きはもちろん、心理ドラマに興味のある方にも、おすすめとなっており、小説と映画の両方で楽しむことができると思います。
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