今回は小説『赤い指』東野 圭吾(著)のご紹介!加賀恭一郎シリーズの7作目となります。
こちらの作品は長編ドラマとして映像化がされた作品です。
私も小説・ドラマどちらも観て、心揺さぶられました。
書籍の情報を以下にまとめます▼
INFO
タイトル:『赤い指』
著者:東野 圭吾
出版社:株式会社 講談社
発売日:2009年8月
メモ:人気の加賀恭一郎シリーズの7作目
あらすじ
少女の遺体が住宅街で発見された。捜査上に浮かんだ平凡な家族。一体どんな悪夢が彼等を狂わせたのか。「この家には、隠されている真実がある。それはこの家の中で、彼等自身の手によって明かされなければならない」。刑事・加賀恭一郎の謎めいた言葉の意味は?家族のあり方を問う直木賞受賞後第一作。
『赤い指』裏表紙より
読書感想
意外と多い、他人からの目
他人は自分が思っている以上に、自分のことを見ているものである。凶悪事件などが発生した際、近隣住民へのインタビューでは「仲のいい家庭でしたよ」「昼間はほとんど顔を合わせることはなかったですね」「あそこのお子さんは・・・」など、多様な意見が寄せられる。これらの意見は、その家庭や人物についてのさまざまな視点を反映している。
他人からの目は、必ずしも直接の言葉のやり取りを通じたコミュニケーションだけに限らない。言葉を交わさずとも、その人の姿を見たり、他人からの情報を得たり、勝手な印象を抱いたりすることで形成される。これらの要素が組み合わさることで、他人の評価や印象が作られていく。
このように、他人の評価や印象は、しばしば言ったもん勝ちの世界に近い。人々は直接の接触がなくても、外見や行動、他人の言葉によって、その人物を判断する傾向がある。これにより、実際の姿とは異なるイメージが広がることも少なくない。
そのため、自分がどのように見られているかを意識することは重要である。無意識の行動や態度が他人にどのような印象を与えるかを考えることで、自己のイメージをコントロールすることができる。また、他人に対しても過度な偏見や先入観を持たず、相手の真実の姿を理解しようとする姿勢が求められる。
自問自答の深海
人生を左右する際の決断は慎重にならざるを得ない。信頼できる相談相手がいたとしても、最終的な判断は自分自身である。決断に至るまでは数多くの自問自答を繰り返すことになるだろう。自分が納得いくまで考え抜いた決断であっても、時間が経つにつれてその決断が正しいものであったかどうか不安になることがある。また、満足に相談できずに一人で問題を抱え込んでしまう場合は、さらに不安との戦いが訪れる。
このような状況では、考える作業が次第に自分自身を納得させる方向に向かってしまうことがある。「こんなに考えたんだから大丈夫だ」とか「自分にはこれしか選択肢がないんだ」といった自己説得の言葉が頭をよぎることがある。しかし、このような思考は論理的な思考からはかけ離れてしまい、説得力に欠ける決断になりかねない。
重要なのは、決断を下す際に冷静で客観的な視点を持つことである。感情に流されず、論理的な根拠に基づいた判断を下すことが求められる。また、複数の視点から物事を考えることで、より幅広い視野で決断を下すことが可能となる。
タイミングによる成功体験
タイミングの良し悪しは、物事の成功に大きく影響することがある。1年前にはできなかったことが、1年後にはできるようになっている場合があり、これは技術的な成長を感じていなくても起こり得ることである。例えば、子供の頃の逆上がりの練習もその一例である。放課後に一生懸命練習してもできなかった逆上がりが、時間が経ち、ふとした瞬間に試してみると成功することがある。これは、努力の結果というよりも、タイミングによる成功と言えるだろう。
このような事例は、時に焦りや苛立ちを感じる状況に対する一つの教訓となる。何かを達成しようとする際、どれだけ努力しても上手くいかない時期がある。そのような時には、「今はその時ではない」と諦めることも一つの選択肢である。無理に成功を求めるよりも、タイミングが訪れるのを待つことで、自然と物事が上手く運ぶことがある。
逆に、適切なタイミングを見極めることができれば、無駄な努力を省き、より効率的に目標を達成することができる。これは、人生のさまざまな局面で有用な考え方である。タイミングの重要性を理解し、焦らず冷静に機会を待つことが、成功への一つの鍵となるだろう。自分のペースを見失わず、適切なタイミングを待つことが、長期的な成功と満足感に繋がるのである。
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