今回は小説『雷神』道尾 秀介(著)のご紹介!
神様のイラズラというべきなのか、ある日、あの時、あの場所で雷が落ちたことによってとある家族の人生が大きく変わる。田舎町で起きる奇怪な事件。過去に起きたことを紐解くことで現在の事件に迫る。
書籍の情報を以下にまとめます▼
INFO
タイトル:『雷神』
著者:道尾 秀介
出版社:株式会社新潮社
発売日:2021年5月
メモ:雷が物語の展開を司る
あらすじ

あの日、雷が落ちなければ、罪を犯すことはなかったーーーーーー。埼玉で小料理屋を営む藤原幸人を襲った脅迫電話。電話の主が店に現れた翌日、娘の夕見から遠出の提案を受ける。新潟県羽田上村ーーーーー幸人と姉・亜沙実の故郷であり、痛ましい記憶を封じ込めた地だった。母の急死と村の有力者の毒殺事件。幸人らが村を訪れると、凄惨な過去が目を醒まし・・・・・。最後の一行まで最上級の驚愕が続くミステリ。
『雷神』裏表紙より
読書感想

雷が鳴ったら
窓の外がピカッと光った。しばらくすると、遠くの方からゴロゴロゴロゴロと音がした。私は、雷がなると必ずと言っていいほどすることがある。それは、ピカッと光ってから音が鳴るまで何秒かかるか数えることだ。
厳密にいうと頭の中でぼんやりと数えるだけで、ちゃんと数えているわけではない。小学生か中学生の頃、雷が光ってから鳴るまでの時間で大体どの辺に雷が落ちたのか計算ができると授業で習った記憶がある。ただそれだけなのだ。
ピカッと光った瞬間に雷が鳴ればそれは近くに雷が落ちたということ。それくらいの知識しかない。では、ピカッと光ってから5秒後に雷が鳴ったら、どうたらこうたらということはもう忘れてしまった。つまり、時間を数えたからといって何の意味もないのだ。もはや癖以外の何者でもない。
田舎町の情報事情
神奈川県のとある田舎町に住んでいる。そんな家では神奈川新聞をとっている。神奈川県民だからといって別に神奈川新聞をとる必要もないのだろうが、我が家では神奈川新聞なのだ。当然、神奈川県内で起きた出来事を中心に記載がされている。
しかし、私が住んでいるのは神奈川県でもかなりの田舎町。神奈川の中心部で起きたことは殆ど別世界の出来事と言っても過言ではない。家のチャイムが鳴って母親が玄関へ出てから早15分。どうやら近所の人が回覧板を持ってきたようだが、そのままの流れで立ち話をしているみたいだ。
耳を澄まして聞きたいとも思わないが、多分この地域内の噂話などを話しているのだろう。きっと神奈川新聞には載っていない情報だ。結局、本当に知りたい情報はこっちなんだろうな。
ランチ模様
私は居酒屋のランチタイム限定でアルバイトをしている。その場所は、駅からも近いこともあって、平日のランチどきは会社員などの利用者で結構混む。平日は大体の人が同じような生活リズム(ルーティン)で時間を過ごしているため、人間観察をするのも楽しかったりする。
例えば、今、カウンターの1番奥で日替わり定食を食べている男性(おそらく30代後半)は、必ずと言っていいほど、月・水・木にこの店を訪れる。そして毎回日替わり定食だ。しかし、この店の日替わり定食は曜日ごとにランチメニューが決まってしまっている。なので日替わりとはいえ、毎週同じものを食べている。
そして、入り口に1番近いテーブルにいる女性(おそらく20代後半)は、週に1回、もしくは2回程度来店するお客さんだが、メニューは決まって鯖の塩焼き定食だ。私だったらそんな毎回毎回、鯖の塩焼き定食を食べていたら飽きてしまうだろう。この女性は食べ慣れてもきたのか、鯖の塩焼き定食を15分で平らげる。一度、こっそり厨房にあるタイマーで測ってみたから正確だ。
常連客と言われるお客さんには、お会計時に「いつもありがとうございます」もしくは「またよろしくお願いします」と言うようにしている。日替わり定食の男性と鯖の塩焼き定食の女性はいつも苦笑いをして帰っていく。
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