【独自感想】『雪煙チェイス』東野 圭吾

小説

今回は小説『雪煙チェイス』東野 圭吾(著)のご紹介!先日購入した新装版3作品の第三弾!今回は殺人容疑を掛けられた青年が主人公の作品。自分のアリバイを証明してくれる人を探すべくスキー場へ。

本来楽しみに行くはずのスキー場へ、自分の無実を証明するために向かう。こんなにも切羽詰まった状況でスキー場に行く人はいないのではないでしょうか。追われる側、追う側にスポットを当てたストーリー展開は見ものです。

書籍の情報を以下にまとめます▼

INFO
タイトル:『雪煙チェイス』
著者:東野 圭吾
出版社:株式会社 実業之日本社
発売日:2023年10月15日(初版第1刷発行)
メモ:新装版として発売

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あらすじ

殺人容疑をかけられた大学生の脇坂竜実。彼のアリバイを証明できる唯一の人物は、偶然出会った正体不明の美人スノーボーダーだけ。竜実は、彼女を探すため日本屈指のスキー場に向かった。それを追うのは「本庁より先に捕らえろ」と命じられた所轄所の刑事・小杉。僅かな手がかりを頼りに救いの女神を見付け出し、無実を証明することはできるのか!

『雪煙チェイス』裏表紙より

読書感想

身内の争い

身内での争いは、しばしば本質を見失わせる。些細な議論が繰り返されることで、本来解決すべき重要な問題が後回しにされてしまうのだ。こうした議論の多くは、自己への執着に根ざしている。自分の考えを曲げることができない者同士の反発が、結果として問題の本質から目を逸らさせる。

この状況で重要なのは、冷静さを保ち、正しい本質に気づくことである。しかし、問題は片方の人間だけが気づいたとしても、それが十分ではないことにある。両者が本質を理解し、思考の暴走を止めることができなければ、問題は解決に至らない。

身内の争いでは、個々の感情や意見が強く反映されるため、客観的な視点を持つことが困難になる。このような状況で、本質を見抜くことは容易ではない。しかし、本質を見失うことは、問題解決を遠のかせるだけでなく、関係の悪化を招くことにつながる。

動かす者と動かされる者

社会において、動かす者と動かされる者の関係は、多くの組織やシステムに存在する。動かす者は、広い視野を持ち、全体を把握し、人材を適材適所で動かすことが求められる。この立場は、一般的にはより高い地位や権力を象徴していると言える。彼らは組織の方針を決定し、戦略を立案し、全体を導く役割を担う。

一方で、動かされる者は、指示に従い、自分の役割を果たすことが期待される。しばしば、彼らは自分の感情や意見を抑え、与えられた仕事に集中することが求められる。この立場は、動かす者に比べて、自己の意志や判断が制限されることが多い。動かされる者の思考や意見が、動かす者のそれに及ばないと見なされることもある。

しかし、このような関係は、必ずしも効果的な組織運営を保証するものではない。動かされる者もまた、自身の経験や知識を活かし、組織に貢献できる可能性を持っている。彼らの意見や感情が適切に評価され、尊重されることで、組織全体の効率や創造性は向上する可能性がある。したがって、動かす者と動かされる者の関係は、単なる上下関係ではなく、相互に依存し合う関係性として捉えることが重要である。

事実であることのプレッシャー

事実を伝えることの難しさは、多くの人が経験することである。事実は実際に起きたことであり、その正確性は疑いようがない。しかし、その事実を他人に伝える際には、多くの障壁が存在する。一つには、伝える側のプレッシャーがある。自分が知っている正しい情報を、正確に伝えなければならないという責任感が、伝えることを難しくしている。このプレッシャーは、伝える内容に余計な言葉や表現を加えてしまい、結果として伝わりにくくなる原因となる。

また、シンプルに伝えようとする努力も、時には情報の不足を招く。必要な情報を省略してしまい、相手に十分な理解を与えられないことがある。事実を伝える際には、正確さと簡潔さのバランスを取ることが重要である。伝えるべき核心を見極め、それを明確かつ簡潔に伝えることが求められる。

事実を伝えることは、単に情報を伝達するだけではなく、その情報が正しく理解されることを目指す行為である。そのためには、伝える側の責任感と、相手の理解を促すための配慮が必要である。事実を伝える際には、正確性と伝達の効果を両立させることが、コミュニケーションの質を高める鍵となるのである。

まとめ

今回は小説『雪煙チェイス』東野 圭吾(著)のご紹介でした!日本屈指のスキー場からたった1人の人間を探し出すことは、この上なく孤独感と不安を感じます。小説ではありますが、主人公の緊迫した感情は読み手にもびしびしと伝わってきます。

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