『斜陽』太宰 治

小説

今回は小説『斜陽』太宰 治著のご紹介。
日本で最も有名な小説家といっても過言ではない存在。
私自身、初めて太宰治の長編作品を読みました。

書籍の情報を以下にまとめます▼

INFO
タイトル:『斜陽』
著者:太宰 治
出版社:新潮文庫
発売日:1950年12月20日(発行)
メモ:タイトルから「斜陽族」という言葉が生まれた太宰治の代表作

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あらすじ

最後の貴婦人である母、破滅への衝動を持ちながらも”恋と革命のため”生きようとするかず子、麻薬中毒で破滅してゆく直治、戦後に生きる己れ自身を戯画化した流行作家上原。没落貴族の家庭を舞台に、真の革命のためにはもっと美しい滅亡が必要なのだという悲愴な心情を、四人四様の滅びの姿のうちに描く。昭和22年に発表され、”斜陽族”という言葉を生んだ太宰文学の代表作。

『斜陽』裏表紙より

読書感想

プライド

私たちの生活でもプライドが邪魔をすることが多々ある。
例えば、一度上げてしまった生活レベルはなかなか下げることはできない。

仕事がうまくいかず、収入が減ってしまった。
真っ先に取り組むべきことは、生活の見直しである。
無駄な出費はなるべく避け、本当に必要な部分に回す。

ある種当たり前なことではあるが、できない人が多い。
プライドもそうだが、楽観的な将来像も一つの原因だ。
つまり、すぐに好景気になるだろうという誤った判断だ。

気づいた時には借金の桁ばかりが増えてしまう状況。
それだけ、精神的な部分と現実的な部分とで差異が生まれてしまうものなのだろう。

厄介なプライドは人を盲目にさせる。
見たくもない現実から目を逸らす。
しかし、他人から見たら一目瞭然で、その人の姿ははっきりと落ちぶれて見える。

不良と真面目な人の素顔

不良と呼ばれる人は、不真面目であり、周りから浮いた存在。
場合によっては人から距離を取られてしまう存在でもある。

しかし不良の中に、わざと不良を演じている人がいたとしたら?
自分が悪者になり、悪い意味で注目を浴びることによって、大切な人の存在を消す。
その人はその不良のおかげでひっとりと暮らすことができる。

至極当たり前のことだが、人は見た目で判断できない、ということだ。
自分の身を守るためにも心得ておきたい。

嘘つき常習犯はなんの躊躇いもなく嘘をつく。
その証拠に、嘘をつき慣れている人の顔は真面目だ。

その真面目な顔の裏に隠された嘘つき常習犯の素顔。
素顔を突き止めた時というのは、もう後戻りができない状態。
つまり、嘘つき常習犯の手中に収められている時である。

驚き、慄き、泣き叫んでも誰も助けてはくれない。
真面目な顔をして近寄ってきた嘘つきは、感触を残さずじっくりと浸食してくる。

愛する人と憎まれる人

人は好きな人がいるだけで生活が彩る。
逆にこの人だけは好きになれないといった、憎ましき人も1人や2人はいる。

私はあの人のことがこんなにも好きで愛しているのに、
私の友達は賛同してくれない。
むしろ友達はあの人に対して疑念を抱いている。

この様な状況は誠に悲しい。
自分の好きな人を友達に紹介をして幸せを共有する。
自分勝手かもしれないが、幸せを実感できる瞬間でもある。

恋は盲目。
苦しみ、悩むのが恋。

その険しくも幸せな道のりを歩んだ先に、恋から愛に変わるポイントがある。
しかしこれは想像以上に大変な道のりになる。
なんせ、1人で歩ききっても意味がないからだ。

まとめ

今回は小説『斜陽』太宰 治著のご紹介でした。
改めて人間の心というのは脆く、華奢なものなんだと思いました。

自分の考えを持ち、他人の意見に流されないことは大切だと思います。
しかし、度が過ぎてしまうと、世間から取り残されてしまう。

今までの生活が当たり前過ぎて、新たな生活を受け入れられなくなってしまう。
変化が急速な現代では、気がつかないうちに取り残されてしまう人は多いのかもしれません。

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