【独自感想】『美しき愚かものたちのタブロー』原田 マハ

小説

今回は小説『美しき愚かものたちのタブロー』原田 マハ(著)のご紹介!
表紙の絵はどこかで見たことがある?程度の知識でした。しかし、これまで原田 マハさんの作品は数点読んできて、絵画への興味関心も深まってきたこともあり購入。

美しさ」と「愚かもの」という言葉遣いも私としては魅力的に感じました。絵画に興味がない人からすると、想像を超えた金額を「絵」に注ぎ込む姿は愚かものに映るのかもしれません。

書籍の情報を以下にまとめます▼

INFO
タイトル:『美しき愚かものたちのタブロー』
著者:原田 マハ
出版社:株式会社 文藝春秋
発売日:2022年6月10日(第1刷)
メモ:松方コレクションに迫る超大作

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あらすじ

「日本にほんものの美術館を創りたい」。その飽くなき夢を実現させるため、絵を一心に買い集めた男がいたーーーーーー。だが、戦争が始まり、ナチスによる略奪が行われ、コレクションは数奇な運命をたどることに。国立西洋美術館の礎であり、モネやゴッホなどの名品を抱く”松方コレクション”流転の歴史を描いた傑作長編。

『美しき愚かものたちのタブロー』裏表紙より

読書感想

将来のことなんてわからない、だから今を大切に生きる

先のことばかり気にしてなかなか行動が取れない人がいる。そのような人のことを心配性というのだろうが、行動に起こせない状態が続いてしまうと、心配していた以上の出来事に出会ってしまうかもしれない

人生、チャンスはそう多く訪れない。チャンスは平等に訪れるというが、チャンスをチャンスだと認識できないと意味がない。知らない間に取りこぼしたことに気が付かず、悲観的な愚痴ばかりこぼしていてもいい人生は送れない。

当然、10代の時に訪れたチャンスと40代で訪れたチャンスは性質が違う。できることならチャンスは早いうちに掴みにいきたいものだ。なぜなら、チャンスが来ても掴み切れるかは別問題だからだ。掴みに行ったものの、失敗に終わるケースだってある。むしろそっちの方が多いと考えた方が良い。

だからこそ、年齢によってチャンスの性質が違うのだ。40代で来たチャンスは、もしかしたら最後かもしれない。焦った状態で掴みに行ったチャンスはうなぎの如く掴みづらい。その点、10代は怖いもの知らずで掴みにいける。

将来のことなんてわからないのだから、思い切って行動してみるべきである。歳をとってからは色んな意味で体が重たくなるのはいうまでもない。

専門分野だけに特出してはいけない

博識のある人は時に、「そんなことまで知っているのか」「そんなくだらないことも知っているのか」と思わせることがある。しかしこれは大切なことである。専門知識を有している人が専門分野だけに特出していた場合、つまらない人間に思われてしまう。

まず、専門的知識というのは世間一般広く知られていないことである。もっと言ってしまうと、人々が興味を抱かなかった情報と言える。それら情報を一定量持っている人を専門家という。

つまり、専門家が専門的知識を伝える際、興味のない人に伝えるということを念頭に置かなければならない。知識量の多さをひけらかす態度をとってしまうと、ただの嫌な奴というレッテルが貼られるだけだ。

世間から受け入れられる専門家は同時に世間から好かれる専門家である。好かれるためには単に専門分野に詳しいだけでなく、幅広い知識と愛嬌を持ち合わせていないといけない。

これまでの固定概念に縛られない

世の中のヒット商品や時代を変えたものは常に、これまでの固定概念を覆してきた。固定電話から携帯電話ができ、さらに進化を遂げスマホができた。スマホに関しては、携帯電話とパソコンを掛け合わせるという暴挙に成功した。

こういった功績は、当たり前に疑問を持つことで成り立ってきた。しかし、生活の中で常に当たり前に疑問を持ち続けることはかなり苦しい。そこで対象を限定してくことが必要だ。

例えば興味のあることや好きなことに対して、当たり前に思っていることはないだろうか?小さいことでもなんでもいい。少しの隙間を通して視野を広げていくことが大切だ。

読書を例にすると、紙の書籍が当たり前だった時代から電子書籍というものができた。読書は紙の本を通して実現させるという固定概念を覆した結果である。しかも、電子書籍は記憶媒体としても優秀で、幾つもの書籍をあの中に入れておくことができる。

そして最近では書籍を読む時代から聞く時代へと変わってきている。ここで重要なのは、読書という世界の幅を広げることであり、狭めてはいけないということだ。紙の本を読みたい人もいれば、電子書籍派の人もいる。文字を読みたい人もいれば、聞いて満足できる人もいる。

それら全ての人を満足させる環境を作り上げることで、各ジャンルの裾野はぐっと広がっていく。生活に根付いたものは当たり前を疑ったことによって、多くの人たちを不満から救ったのだ。

まとめ

今回は小説『美しき愚かものたちのタブロー』原田 マハ(著)のご紹介でした!タブロー(絵画)は世界中で取引がされ、中には1枚、数百億円で取引されるものも。そう聞いて、そんなものに大金を叩くなんて愚かだと思う人もいるでしょう。

しかし、その愚か者たちは明確な意思のもと有名絵画の魅力に浸っています。今は理解ができないかもしれませんが、小説を通してその一端に触れることができるとしたら。少し印象が変わるかもしれません。

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